米国のSD社(スペクトラルダイナミクス)によって開発された世界的に著名なPC対応実験モード解析解析ソフトウェアです。FFTアナライザを用いて加振試験で得られる伝達関数データから構造物の動特性(固有振動数、減衰比、モードシェープ)を求めます。その高精度なモード解析をはじめ、SDM/FRS(構造変更/外力応答シミュレーション)、ACF(アドバンスカーブフィット:多点参照法)、ODS/TDA(実稼動解析/時刻歴解析)およびSTARAcoustics(音響インテンシティ解析)などを利用し、構造解析システムを構築することができます
STAR7は、Windows 標準インターフェイス操作とその直観的なプルダウンメニューなどにより、トレーニングの時間や費用を最小限にします。STAR System の強力なデータ収集機能や解析モジュールを実行するには、論理的に設計されたメニューやツールバー、アイコンなどを使用することができます。
STAR System は、現在のハードウェアやソフトウェア資源を有効に利用するために、それらのシステムからデータをインポートおよびエクスポートすることができます。例えば、多くの一般データベース・ソフトウェア(グラフィックス、ワードプロセッシング、プレゼンテーション、スプレッドシートなどのアプリケーション)との実験データの入出力を可能にします。
● 直感的AERO(3次元空間)インターフェイス
● プロジェクト・マネージメント
● インタラクティブ表示コントロール
● 3Dモデリング・ツール(メッシュ生成/ビジュアル/...)
● モード・インジケータ、FRFシンセサイズ
● SDOF,MDOFカーブフィット手法
● ACF(アドバンスカーブフィット:多点参照法)
● MAC,CoMAC(信頼性評価関数)
● ODS/OMA(実稼動解析)
● TDA(時刻歴解析)
● FRS(外力応答シミュレーション)
● SDM(構造変更シミュレーション)
構造上の動的問題析の解
構造上の動的問題を十分に解析するには、すなわち、構造物の動的応答からモードシェープを分離するために、モモード解析を必要とします。STAR のパワフルなモード解析機能は、少なくとも最近、15 年の科学技術上のリーダーシップ的存在となっています。
モードの識別とモデル化
FRF 計測データからモードを得るには、主に2の手続きを実行しなければなりません。
第1に正しいモードロケーションを決定し、第2に減衰周波数、モードパラメータ、レジデュを正しく推定します。そのために、STAR System は、様々な機能や選択方法を提供します。
モードロケーションを決定するためには、モードピーク関数が役立ちます。モードパラメータを正確に推定するためには、高精度なカーブフィット手法が提供されます。
最もシンプルなピークカーブ手法(コインシデント、クオドラチャ、複素ピーク)は、迅速にモードシェープを計算します。シングルモード (SDOF)やマルチモード (MDOF)には、ローカルな多項式近似カーブフィット法が高精度の解析機能として効果的です。グローバルなカーブフィット法は、連成の大きなモードに対する適切な解を得るためや高減衰の計測データに対して使用します。SDOF、MDOF、グローバルなどのカーブフィット手法は、 バンド外剰余項の正確性も保証します。モードのロケーションを決定し、カーブフィット手法を決定した後、全体の計測データセットに対して、自動カーブフィットを実行します。
アニメーションは、その動的挙動を容易に理解するためのグラフィック表示機能です。
コンピュータ・スクリーン上に表示されるアニメーションは構造物の実際の運動を示しますが、一般に、構造物の実際の運動や振動と比較すると、アニメーションの振幅は誇張され、周波数に関しては低速になります。
アニメーションに先立って使用される解析プロセスは、特定の周波数あるいはユーザーによって指定された周波数帯域の構造挙動を分離する役目をします。これは特定の周波数でのトラブルシュートのためにも必要です。
FRFの検証とモード信頼性評価基準
STARは、計測された FRF データにからパラメータを推定し、そのカーブフィット後において自動的に計測結果を合成します。
モードシェープを確認した後で、モード信頼性評価基準(MAC:Modal Assurance Criterion)は、モード間の相関性を評価します。MAC によって、カーブフィットの信頼性を比較し、モードの連成度を評価することができます。
特定のスピードや周波数における構造物の運動
外力、ギアなどの摩擦、アンバランス、取付けガタやその他の要因によって引き起こる構造物の運動をアニメーション表示によって、観察し解析します。実稼動解析(ODS:Operating Deflection Shapes)は、周波数領域の計測データを使用して、実稼動構造解析を行います。一般に、ODS 解析は、機械構造物の運転時の定常状態の計測データに基づいて行われます。また、構造上の力学的問題を理解するために、任意の周波数を選択し、その周波数での運動を観察することもできます。実稼動解析の技術
一定の正しい計測方法(計測データのキャリブレーション)に従って、伝達率計測データとオートパワーおよびクロスパワー・スペクトルを計測することにより、実稼動変形シェープを求めることができます。その結果、正確な変形量(加速度、速度、変位および重力加速度など)を得ることができます。これらの変形シェープは、異なる運転状態の構造物の変形および変形振幅を比較することを可能にします。
STAR System では、指定したピークや周波数バンドに対して、ODS計算アルゴリズムを適用します。特定の周波数 (確認したい構造物の変形に対応する周波数)を入力するか、バンドを指定することによって、そのバンド内の最大ピーク周波数の変形シェープを計算します。一般に、機械構造物の運動は、僅かなスピードの違いや周波数の違いによって、大きく変わることはなく、周波数解像度に対応した機械構造物の運動を正確に決定することは不可能であることに注意して下さい。
構造物がある時間にどのように運動するかを理解することができます。時間領域アニメーションは、計測された時間内の構造物の現実の運動を示します。これは、その運動に関連する振動問題を解決する際の最初のステップにもなります。時間領域解析は、定常的運動や過渡応答運動など、例えば、機械の始動から終了までの非線形挙動なや、衝撃応答、質量、剛性、減衰などの動的変更に伴う運動の観察に利用することができます。
時間領域解析アニメーション
時間領域解析のアニメーション表示は、迅速な問題解決のために効率的に利用することができます。例えば、変位単位へデータ換算を行えば、現実の運動に対応する最大変形の位置を確認するのに役立ちます。また、周波数応答関数(FRF)の計測データセットから逆 FFT 計算によって、インパルス応答を求め、構造物の運動を観察することもできます。さらに、ディジタル・フィルタを設定し、規則的な時刻歴インパルス応答関数を計算することもできます。
STARの多点参照法(ACF:Advanced Curve Fitter)は、複合的なデータセットにおいてモードパラメータを正確に推定するために最小二乗誤差法(LSCE:Least Squares Complex Exponential)や多項式近似法のアルゴリズムを使用します。唯一の参照点によるデータセットを使用した場合の誤差を低減するために、多点参照(MIMO)データを使用します。
そのグラフィック・ユーザー・インタフェースは、初心者のユーザーに対しても、簡単で、安定した操作性を提供します。例えば、そのグラフィックスでは、モードロケーションを示すシングルモードを確認するのためにも役立ち、そのマルチモード・インディケータ・ファンクション、スタビリティ・ダイアグラムやS‐平面ダイアグラムから正確なモード・ロケーションを選択することができます。
カーブフィット・プロセスは、多くのモードや重根を識別するために広帯域の周波数バンドを評価することを可能にするために、非常に大きいモデル・サイズをサポートし、高速です。
従来のスペクトル・アナライザーとの互換性
STARは、2チャネル以上の多くのアナライザーを使用して、多点参照法解析を実行することができます。多点参照データとして、2チャンネル・アナライザーによって集録された1つの参照点のデータの集合を使用することもできます。あるいは、複数の同時参照機能をもつマルチチャネル・アナライザーを使用して集録したデータを使用することもできます。実験データに応じて、モード・パラメータの最適な推定を提供します。
構造物ハードウェア変更によるシミュレーション
構造変更シミュレーション(SDM:Structural Dynamics Modification)は、ノイズ、振動、機械的システムによる故障などの原因を究明するための試行錯誤的方法を提供します。また、実際に「このように設計すればどうなるだろうか?」ということをモードモデルを使って、その変更を正確にシミュレートするためのあらたなモードパラメータ(質量、剛性、減衰など)の特性を計算します。
また、実験モード解析と有限要素解析のそれぞれのモード・データを入力して、さらに、SDMの機能に利用することができます。その主な機能を以下に示します。
モードシェープが定義された構造物上の任意のポイントに質量を付加、削除します。
任意の2つの計測ポイント間、または、 DOFs 間にバネおよびダンパを追加します。
構造上の計測ポイントと任意のグランド間をバネおよびダンパによって接合します。
構造物上の任意のポイントへのアブソーバ(質量-バネ-ダンパ)の追加。SDM は、変更後のモード・パラメータを求めます。
実験モード解析結果と有限要素解析結果のコンポーネントを合成し、モード合成後のモードパラメータを推定します。
シミュレーション後、アニメーション表示や FRFs の同定の結果を視覚的に観察することができます。
共振シミュレーションによる感度解析
問題となっている振動を減少させるには、構造物の特定の共振周波数を変更することによって実現できます。SDM は、どの部分を、どのように修正する必要があるかを決定するための感度解析として利用することができます。SDM の共振シミュレーションは、構造物の共振周波数のターゲット、修正タイプ(質量、剛性または減衰)および設定位置を指定することによって行われます。そしてSDM は、その結果をもたらすために必要な修正量を決定します。
ハードウェア変更コマンドを自動的に実行することによってモデルを修正することもできます。(指定した共振周波数を持つ新しいモード・データセットが生成されます。)
外力の推定として、最適な実験方法は、構造物に実際に作用する外力関数に対するその応答を計測することです。このために、STAR System の外力応答シミュレーション(FRS:Forced Response Simulation)機能を利用することができます。構造物のポイント上の変位、速度、加速の応答を決定するためには、任意の一時的な正弦波、実際に与えた加振力の計測データ、もしくは、合成されたパワースペクトル・データを使用することができます。それらは、また、複数のポイントに対して入力することにより、応答が総計され、実際に作用する外力に対する応答として推定されます。
実稼動変形シェープのための調和応答シミュレーション
調和応答シミュレーション機能は、変形シェープ(構造物上の複数ポイントに作用する正弦波加振に対する応答シェープ) を計算します。推定されたモード周波数範囲における任意周波数の応答を評価し、その変形シェープをリアルタイム・アニメーション表示によって観察することができます。
IBM-PC/AT および互換機
CPU : 1GHz 以上
メモリ容量 : 2GB 以上
ハードディスク容量 : 100 GB 以上を推奨
OS : Windows 7/8/10 - 32/64 bit
●STARの理論的背景についてご関心のある方は、実験モード解析法、実稼働解析、時間領域解析に関する技術解説のページも併せてご覧下さい。
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